

庭の隅で錆びついた物置、中身もぐちゃぐちゃで、どう処分すればいいかお困りではありませんか?
「長年放置して中身が詰まっている」「大きくて自分では到底動かせない」「処分費用が高そうで心配」…物置の処分は、想像以上に手間と費用がかかるものです。でも、適切な方法を知れば、安全かつ効率的に処分することができます。
この記事では、物置処分の4つの方法から具体的な費用相場、中身の片付け方、そして失敗しないための注意点まで、専門家の視点から徹底的に解説します。あなたの状況に最適な処分方法がきっと見つかるはずです。
安心して物置処分を進められるよう、この記事がお役に立てれば幸いです。
物置を処分する前に!必ず確認すべき2つの重要ポイント
物置の処分を始める前に、まず確認しておくべき重要なポイントが2つあります。これを怠ると、予想外の費用や手間がかかったり、危険な状況に陥ったりすることもあります。
1. 物置の中身の確認と片付け
物置処分で最も大変なのが、実は「中身の整理」です。長年使っていなかった物置には、思った以上に多くのものが詰まっているものです。
効率的な中身の整理手順
まず、物置の中身を以下の4つに分類しましょう。
- 残すもの: 今後も使う予定があるもの
- 処分するもの: 明らかに不要なもの、壊れているもの
- 売れそうなもの: 状態が良く、リサイクルショップやフリマアプリで売却できそうなもの
- 譲れるもの: 使わないが状態が良く、必要な人がいそうなもの
中身の処分でよく困るアイテム
- 古い工具類(錆びた電動工具、ペンキ缶など)
- 園芸用品(肥料、農薬、土など)
- 灯油缶やガソリン缶
- タイヤやホイール
- 古い自転車や三輪車
- 大量の段ボールや古紙
これらの処分方法は自治体によって異なります。特に灯油やガソリン、農薬などの危険物は、ガソリンスタンドや専門業者に引き取りを依頼する必要があります。
中身も一緒に処分できる業者の活用
「中身を整理する時間がない」「分別が面倒」という場合は、不用品回収業者に依頼すれば、物置本体と中身をまとめて処分してもらえます。費用は高くなりますが、時間と手間を大幅に節約できます。
2. 物置の素材・サイズ・状態の確認
処分費用や方法を決めるために、物置自体の状態を確認しましょう。
確認すべき項目
- 素材: スチール製、木製、アルミ製など
- サイズ: 高さ、幅、奥行き(坪数がわかればメモ)
- 基礎の有無: コンクリート土台やブロック基礎の有無
- 設置状況: 重機が入れる場所か、家屋に近接しているか
- 建築時期: 特に古い物置(昭和50年代以前)の場合
【重要】アスベスト(石綿)含有の可能性
昭和50年代以前に建てられた物置の場合、屋根材や壁材にアスベスト(石綿)が含まれている可能性があります。特に波板スレート屋根は要注意です。
アスベストは吸い込むと重大な健康被害を引き起こす危険な物質です。古い物置を自分で解体することは絶対に避け、必ず専門業者に相談してください。
疑わしい場合の対応:
- 物置の建築時期を確認する
- メーカーや型番がわかれば調べる
- 解体業者に事前に伝え、調査を依頼する
基礎ブロックやコンクリート土台がある場合、本体の撤去とは別に処分費用がかかることがあります。この点も事前に確認しておきましょう。
【方法別】物置の処分方法4選|費用と手間を徹底比較
物置の処分方法は、あなたの状況や予算、物置の状態によって最適な選択肢が異なります。4つの主な方法を詳しく見ていきましょう。
方法1:自分で解体して自治体のゴミに出す【最安だが高難易度】
最も費用を抑えられる方法ですが、手間と時間、そして危険が伴います。
作業の流れ
- 中身を完全に空にする
- 屋根、壁、床の順に解体
- サイズごとに分別(金属、木材など)
- 自治体のルールに従って処分
メリット
- 費用が最も安い(工具代と処分費のみ)
- 自分のペースで作業できる
- 小型の物置なら実現可能
デメリット
- 重労働で危険が伴う(怪我のリスク)
- 専用工具が必要(ディスクグラインダー、電動ドリルなど)
- 解体に数日かかることも
- 大型物置や錆びついた物置は困難
- アスベスト含有の可能性がある場合は絶対にNG
- 自治体によっては持ち込みが必要で、運搬手段も必要
費用目安
- 工具レンタル・購入費:1万円〜3万円
- 自治体への処分費:無料〜5,000円程度
- 合計:1万円〜3.5万円
こんな方におすすめ
- 小型の物置(高さ2m未満)
- DIYの経験が豊富な方
- 時間に余裕がある方
- 費用を最優先したい方
注意点
安全面を最優先に考えてください。古い物置の場合はアスベストの危険があるため、自力での解体は避けるべきです。また、作業中の怪我や、解体した部材で周囲を傷つけるリスクも考慮しましょう。
方法2:不用品回収業者に依頼する【中身も丸ごとお任せ】
物置本体だけでなく、中身の不用品もまとめて処分してもらえる便利な方法です。
サービスの特徴
- 物置本体と中身を一度に処分
- 分別や運搬の手間が一切不要
- 最短即日対応の業者も多い
- 見積もりは無料が一般的
メリット
- 手間がほとんどかからない
- 中身の整理が不要(そのまま依頼可能)
- 作業が早い(数時間〜1日で完了)
- 他の不用品も一緒に処分できる
デメリット
- 費用が比較的高い
- 業者によって料金に大きな差がある
- 悪質な業者に注意が必要(不法投棄のリスク)
- 基礎ブロックの撤去は別料金の場合がある
費用目安
- 小型物置(中身少量):3万円〜8万円
- 中型物置(中身多め):8万円〜15万円
- 大型物置(中身満載):15万円〜30万円
こんな方におすすめ
- 中身の整理をする時間がない方
- とにかく早く処分したい方
- 遺品整理や実家の片付けで大量の不用品がある方
- 手間を最小限にしたい方
注意点
不用品回収業者を選ぶ際は、必ず「一般廃棄物収集運搬業許可」または「産業廃棄物収集運搬業許可」を持っている業者を選びましょう。無許可業者による不法投棄は、依頼者も責任を問われる可能性があります。
方法3:解体専門業者・工務店に依頼する【大型・基礎ありでも安心】
大型物置や、コンクリート基礎がしっかりした物置の場合、解体専門業者や工務店への依頼が最も確実です。
サービスの特徴
- 物置本体の解体・撤去に特化
- 重機を使った本格的な解体が可能
- 基礎ブロックやコンクリート土台も処分可能
- アスベスト調査・処理にも対応
メリット
- 大型物置や基礎付き物置も確実に処分できる
- 安全性が高い(プロの技術と保険加入)
- アスベスト対応が可能
- 解体後の整地までお願いできる
- 損害賠償保険に加入している業者が多い
デメリット
- 中身の処分は別途依頼が必要(自分で片付ける必要あり)
- 費用が比較的高い
- 作業日程の調整が必要
費用目安
- 小型物置(基礎なし):5万円〜10万円
- 中型物置(基礎あり):10万円〜20万円
- 大型物置(基礎・重機必要):20万円〜40万円
こんな方におすすめ
- 大型の物置を処分したい方
- 基礎ブロックやコンクリート土台もきちんと撤去したい方
- 古い物置でアスベストの心配がある方
- 庭の整地や更地化も検討している方
注意点
中身の処分は基本的に含まれないため、事前に自分で整理するか、別途不用品回収業者に依頼する必要があります。
方法4:リサイクルショップや個人に売却・譲渡する【状態が良い場合】
比較的新しく、状態の良い物置であれば、売却や譲渡という選択肢もあります。
売却・譲渡の方法
- リサイクルショップに売却
- フリマアプリ・ネットオークションで販売
- ジモティーなどで無料譲渡
- 知人に譲る
メリット
- 処分費用がかからない(むしろ収入になる可能性)
- 物置が再利用されるため環境に優しい
- 無料譲渡なら、喜ばれることも
デメリット
- 買い手・引き取り手が見つかるまで時間がかかる
- 状態が悪い物置は売却困難
- 解体・運搬は基本的に相手任せ(トラブルのリスク)
- 成約率が低い
費用
- 無料(むしろプラスになる可能性あり)
こんな方におすすめ
- 購入から5〜10年以内の比較的新しい物置
- 錆びや破損が少ない
- 時間に余裕がある方
- 処分費用をかけたくない方
注意点
フリマアプリやジモティーで譲渡する場合、相手が庭に立ち入ることになるため、セキュリティ面での注意が必要です。また、解体・運搬中のトラブル(建物の破損など)については、事前に責任の所在を明確にしておきましょう。
処分方法の比較まとめ表
あなたに最適な方法を見つけるため、4つの方法を一覧で比較しましょう。
処分方法 | 費用目安 | 手間 | 中身の処分 | 作業期間 | おすすめ度 |
---|---|---|---|---|---|
自分で解体 | 1万〜3.5万円 | ★★★★★ | 自分で処分 | 数日〜1週間 | ★☆☆☆☆ |
不用品回収業者 | 3万〜30万円 | ★☆☆☆☆ | 業者が対応 | 数時間〜1日 | ★★★★☆ |
解体専門業者 | 5万〜40万円 | ★★☆☆☆ | 自分で処分 | 1日〜数日 | ★★★★ |